RESASまちづくりマップで商圏分析2

こんにちは。ビーグルコンサルティングの真鍋です。

今回はRESASまちづくりマップで商圏分析を行いたいと思います。

前回はRESASを活用することで、中心となる地点までの公共交通機関を利用した時間がわかるということを説明しました。

今回は、具体的にどのように操作をするかについてまとめたいと思います。

RESASのまちづくりマップを開く

まずはRESASのまちづくりマップを開きます。以下のリンクから表示することができます。

RESASを開くと以下のような画面が表示されます。画面の右上にある「マップを選択してください」(①)をクリックして「まちづくりマップ」(②)をクリックします。

そして、「まちづくりマップ」にある智頭から「国内移動時間分析」をクリックします。

これではじめて利用するときは東京都千代田区が中心の地図が表示されます。

移動時間のヒートマップを表示します

移動時間のヒートマップを表示するため、以下の3つの項目を設定します。設定する項目は以下の移動時間のヒートマップと設定を参照してください。

  1. 中心となる市区(①)を設定します。
  2. 分析する交通手段(②)を選択します。
  3. 移動時間のヒートマップ透過率(③)を選択します。

それぞれ右側の項目を設定していきます。設定した結果は以下の通りとなります。

移動時間のヒートマップと設定

①中心となる市区の設定

ここには商圏の中心となる地点を設定します。市区単位となるためかなり広いと感じるかも知れませんが、ここでは広い範囲(マクロ的な視点)で商圏を分析することを目的としているため、市区レベルで問題ありません。しかし、市境や最寄り駅が隣の市区という場合には、最寄り駅のある市区を設定します。

②分析する交通手段

分析する交通手段は公共交通機関と自動車があります。それぞれに詳細があり、計4種類が選択できます。

  1. 公共交通機関(飛行機なし)
  2. 公共交通機関(飛行機あり)
  3. 自動車(一般道優先)
  4. 自動車(高速優先)

通常は「1.公共交通機関(飛行機なし)」または「4.自動車(高速優先)」を利用することが多いのではと思います。「2.公共交通機関(飛行機あり)」は宿泊業や観光地で利用することはあると思いますが、通常の商圏分析として広すぎることが多いように思います。また、「3.自動車(一般道優先)」はjSTAT MAPでも同様の分析ができるためそちらを利用することが多いためです。

③移動時間のヒートマップ透過率

この選択をすることで、これまでの設定内容に応じたヒートマップが表示されます。ヒートマップの透過率は用途によって使い分けます。

千葉県柏市への移動時間

こうして地図へ色分けして表示することで、千葉県柏市への移動時間は常磐線沿線や東武線沿線は120分圏内にありますが、そこから外れると一気に移動時間が延びることがわかります。

ただ、マクロ的に評価していることもあり最寄り駅からの時間とは感覚的ずれているなと思います。具体的には、茨城県つくば市から茨城県つくばみらい市までの移動時間が181分となっており、つくばエクスプレスを活用したときの移動時間を考えるとかなりずれがあるように感じます。

このことは、RESASのマニュアルにも以下の通り記載があります。マクロ的な視点で可視化するのでこういうものだという割り切りは必要かなと思います。

国内移動時間分析とは、出典元各者が保有する徒歩、自動車、交通機関の「移動時間用計
算データ」を活用し地域間の所要移動時間を出典元にて算出し、可視化したものです。実
際の交通事情を完全に反映したものではありません。

https://resas-portal.go.jp/medias/3oG4KUBKjhbKe2eRg75v6Y/ab17ea1342c5dbd083b87126bf771c24/manual_map_town09.pdf

さいごに

RESASで移動時間を可視化しました。移動時間が可視化されたことで、例えば60分圏内の市区に住んでいる人がターゲットであるなどの判断を行うことができます。(街のパン屋さんに2時間かけてパンを買いに来るお客様は少数派ですよね。)

こうして、商圏となる地域を定めることでその商圏に住む人がどういう人かを詳しく確認することができるようになります。この後は、jSTAT MAPを活用して対象となる地域に住む人々のことを統計データから分析していくことになります。