RESAS人口構成分析の使い方と活用事例|データで未来を読む地域戦略

こんにちは。ビーグルコンサルティングの真鍋です。

人口動態ということばをご存知でしょうか❓人口動態とは、ある一定の期間における人口の変動のことです。日本全体の人口は1億2千万人程度ですが、少子高齢化が進むと言われるなか、今後は人口は減少すると報道されています。

では、都道府県単位ではどうでしょうか❓市区町村では❓

自分が住む街や自分が商圏とする街の人口がどうなるかはとても重要なことです。なぜなら、ヒトがいなければ商売は大きくならないからです。ヒトがどこからやってくるかはとても重要ですが、そもそもその場所で人口は増えるのでしょうか❓減るのでしょうか❓

このことがわからないと、お客様がいないだけでなく、従業員の確保にも苦労することになります。

人口動態

人口動態はかなり正確に推計されています。出生率の推計が上手くいっていないのに、なぜ人口動態が正確に推計されるの❓という疑問はありますが、おおよそ正確に予想されていると言われています。人口動態の推計は、国立社会保証・人口問題研究所が中心に行っています。

この人口動態を国立社会保障・人口問題研究所から探してもよいのですが、より簡単に行う方法があります。それがRESASの人口構成分析になります。

RESAS人口構成分析

RESAS人口構成分析を利用しましょう。以下の画像をクリックしてRESASを表示します。

RESASが表示されたら、①人口マップをクリックして、人口マップダイアログが表示されたら②人口構成分析を選択します。表示された人口構成分析で、ヒートマップから③人口推移に表示を切り替えます。

①人口マップをクリック
②人口構成分析をクリック
③人口推移を表示

こうすることで東京都の人口推移グラフが表示されます。

人口推移グラフのみかた

東京都の人口推移グラフが利用してこのグラフの見方を確認しましょう。

グラフは2020年までが実績値で、2025年以降は推計値となっています。これは注記に記載されていますが、RESASを利用するときには、出典や注記をよく確認するとよいでしょう。

次にグラフの項目の説明です。総人口などの項目がありますが、それぞれの説明は以下の通りとなります。

総人口東京都の総人口になります。2040年頃まで増加し続け、1,500万人に近づく推計となっています。
年少人口15歳未満の人口です。1975年から減少しており、2000年以降は横ばいです。
生産年齢人口15歳以上65歳未満の人口を指し、国内の経済活動の中核を担う人口層です。2015年から増加傾向で、2040年までは900万人を上回ります。
老年人口65歳以上の人口です。1960年以降一貫して増加傾向にあります。

他の県を表示しましょう

他の県を表示してみましょう。比較対象として、宮城県のグラフを用意しました。これは、表示する地域を指定するを宮城県に切り替えて表示しました。

検索条件にある表示する地域を指定するで、東京都から宮城県に切り替えました。

宮城県の人口推移グラフです。東京都と違って2020年以降は総人口が減少傾向となっており、生産年齢人口が老年人口に近づく勢いで減少しています。宮城県は仙台市を中心とした東北では大きな県です。それでも少子高齢化が進むことが見て取れます。

市区町村単位で表示

次にもう少し小さな単位で人口推移グラフを表示しましょう。市区町村単位で表示することができます。

検索条件にある表示する地域を指定するで、都道府県単位から市区町村単位に切り替え、市区町村を選択しました。

これにより、宮城県の市区町村を選択できます。今回は仙台市青葉区を選択してみます。

仙台市青葉区は仙台駅周辺の街で、アーケードがある商店街が連なる町並みです。雪が降ってもアーケード街があるため過ごしやすく、地下鉄など交通の便もよい街ですね。

仙台市青葉区は宮城県全体の人口推移に比べて総人口、生産年齢人口の減少が緩やかです。一方で、年少人口と老年人口は相似していることがわかります。

東日本大震災で影響の大きかった南三陸町の人口推移グラフです。2015年の総人口が激減しています。自然災害の大きさを実感します。

その他の機能

ここまでで人口推移グラフをどのように活用するかイメージが付いたのではないでしょうか。ここからはもう少し便利な機能を紹介します。

合算地域を追加する

この機能は、表示した地域に加えて他の地域のデータも合算して表示する機能です。例えば、商圏として検討している地域が県では大きすぎるけれども、複数の市区町村にまたがる場合などには重宝します。

具体的には、千葉県東葛地域の人口推移を表示したいというときを想定してみました。千葉県柏市、野田市、流山市、松戸市の4市をあわせた人口動態はどうなるのかを確認することができます。

キャプチャボタン

キャプチャボタンは表示されているグラフを画像としてダウンロードする機能になります。千葉県の人口推移グラフを表示してキャプチャボタンをクリックするとこのような画像がダウンロードされました。

全画面ボタン

画面を全画面表示するための機能です。プレゼンテーションなどで活用するときには便利そうですね。

ダウンロードボタン

個人的に一番利用するのはダウンロードボタンです。このボタンをクリックすると、表示されている人口推移グラフのデータがCSVファイルでダウンロードできます。このCSVファイルを加工してグラフを作成したりすることが多いです。

さいごに

RESASの人口構成分析のうち、人口推移について操作方法をご紹介しました。商圏分析に限らずデータをもとに意思決定するときには、人口動態は将来を見通す重要な道具となります。

ぜひ今回の記事をもとにして、人口動態をデータ分析に活用してみてください。