こんにちは。ビーグルコンサルティングの真鍋です。
私はjStatMapが便利でマーケティングでの分析やデータを地図で表現するときに活用しています。統計データをインポートできるので便利なのですが、今回は自分で作成したデータを地図にヒートマップとして表示する方法をご紹介します。
過去の記事はこちらから参照できます。




🗾 都道府県毎のデータ
都道府県毎のデータを地図に反映してたいというニーズは結構あると思います。店舗毎の売上データや施設毎の来場者数といった細かなデータを都道府県にまとめて表示したいといった場合は、よくあるのではないでしょうか。もちろん、市区町村単位での集計も可能です。
jStatMapでは、ユーザー統計という機能を利用して統計地図を作成することで実現できます。例えば、2023年の住宅着工数を日本地図にマップすると以下のようになりました。これ自体は、みなさんにとって意味のない情報かも知れませんが、ここに表示されるデータが自分の活用したいデータで実現できるなら便利ではないでしょうか。

🗂️ 都道府県コード、地方公共団体コード
データ準備するときに一つ理解しておかないとうまくいかないことがあります。それが都道府県コード、地方公共団体コードです。これは、都道府県、市区町村のすべてにコードが振られていて、今回利用するユーザーデータ機能では、このコードを利用してデータを地図に反映します。
都道府県コードは01〜47まで設定されています。地方公共団体は都道府県コード+4桁の6桁で構成されています。詳しくはこちらを参照してください。
細かいことはよしとして、コードという列に01〜47までの文字列が設定されていないと地図に反映されないということだけ理解いただければ大丈夫です。
📋 CSVデータ
このようなCSVデータを用意します。特に1桁のコード(例:1=北海道)のように1桁の場合は"01"のようにゼロ埋めが必要です。それ以外の列は、表示に利用するものだけを設定すると良いでしょう。(この場合は、都道府県、年度は表示に利用しませんがわかりやすくするため記載しています。)
コード,都道府県,件,年度
01,北海道,15850,2023年度
02,青森県,5043,2023年度
03,岩手県,5731,2023年度
04,宮城県,9639,2023年度
05,秋田県,3838,2023年度
06,山形県,5060,2023年度
07,福島県,8253,2023年度
08,茨城県,13976,2023年度
サンプルとしてCSVファイルを用意しました。これ以降の手順は2023年住宅着工件数を利用して実行します。
⬇️ データの取り込み
データはjStatMapの上部にあるファイル > インポートをクリックして、ユーザー統計からインポートします。先ほどの2023年住宅着工件数をインポートします。


表示されたユーザ統計インポートダイアログで、以下の通り選択します。
- 集計地域: 都道府県
- 統計名: 国勢調査
- 年または年月: 2020年
- CSVファイル: インポートするCSVファイル
- 上記のファイルを利用するときはUTF-8にチェックをつけてください。

ここまで設定したらアップロードボタンをクリックします。
🧩 ユーザー統計インポートダイアログの補足
ユーザー統計インポートダイアログは少しわかりづらいかも知れません。集計地域で都道府県を選択して、統計を国勢調査とすることで国勢調査時点の都道府県コードに対応する地図データでの反映を行います。
そのため、集計地域を市区町村として統計名を国勢調査とすると、地方公共団体コードを利用した地図への反映となります。
もちろん、集計地域に応じた統計名を利用できるため、利用する統計が地図における位置情報どのようなコードで管理しているかがわかれば選択肢は広がります。
📈 統計グラフ作成
アップロードが正常に完了したら、地図へ反映するため統計グラフを作成します。統計グラフは、統計地図作成から操作します。

統計グラフ作成ダイアログが表示されるので、ユーザーデータタブを選択し種類でユーザーデータを指定します。グループに先ほどインポートした2023年住宅着工件数が表示されるので選択します。指標/データから件を選択して次へボタンをクリックします。

これでインポートした都道府県毎のデータが地図にマッピングされます。

住宅着工件数を日本地図にマッピングして気づいたのですが、北海道(15,850件)の件数が茨城県(13,976件)よりも多く、兵庫県(17,498件)より少ないということでした。これは面積が広いからでしょうか。
いずれにしてもどの地域の件数が多いか(赤くなっている)か、少ないか(青くなっている)かは直感的にわかります。概要を把握するためにはこれほど便利なモノもないかなと思います。
🔚 さいごに
jStatMapを活用することで、普段は表だけでは見えなかった「地域ごとの傾向」が一目で分かります。
今回の住宅着工件数のようなデータに限らず、次のような使い方も可能です。
- 📍 店舗別の売上を都道府県で集計して可視化
- 🧭 顧客分布データから営業戦略を検討
- 💼 助成金の申請や補助対象地域の把握
今後の記事では、市区町村単位でのマッピング方法も紹介予定です。ぜひお試しください!